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麻希のいる世界のCOLORofCINEMAのネタバレレビュー・内容・結末

麻希のいる世界(2022年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

麻希のいる世界
麻希とだけの世界
ふたりだけの世界

●この生き急いだ感じ、大人たち(麻希と由希以外のどいつもこいつも)に対しての苛立ちなんて言葉も飛び越えての感情の鋒先(きっさき)。監督がブレッソンの言葉「魂のニュアンス」に触れていたけど、まさに!魂の赴くままに。
そのままアンプに通さずとも叫び(由希の台詞「絶対にあきらめない」や麻希の衝動)となりウインウイン唸る。
もちろんギターもボーカルも。
●主演のふたりを見て、も、もしかして「空電の姫君 (空電ノイズの姫君)」実写化できるのでは?なんて思ったりしてドキドキ。
...と、書いたけど、パンフレットに日髙麻鈴が「さよならくちびる」撮影後に監督から「シド・アンド・ナンシー」DVDをいただいたと書いてあって、なるほど、あながち遠からずと納得。
●「害虫」「カナリア」の系譜。2作も好きだったが本作はさらに、その先へ向かってて塩田監督作品中ベスト。

●サウンドトラック
「排水管」が3トラック
・日髙麻鈴がスタジオに遅刻して入ってきて無言のまま、テレキャスをアンプにつなぎガシガシ歌い出す「Drop D」
・楽曲を完成させるべく祐介が作ったゆったりしたタイプ「排水管マイナー」
・最初のスタジオで弾いたバージョンの完成版「排水管メジャー」
他にも
・そして自転車を漕ぐ音、セリフも入った「ざーざー雨」
(本編での、ここのシーンが最高だ。「だったらバンド組むとか。わたしベースだったら、ちょっと弾けるよ」)
・祐介が放課後ライヴで演奏していたノイジープログレっぽい「This is Our Music」
向井秀徳によるオリジナルも収録。

(敬称略)
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