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パール・ハーバーのmatchypotterのレビュー・感想・評価

パール・ハーバー(2001年製作の映画)
3.1
マイケルベイ×ジェリーブラッカイマー×ベンアフレック×ジョシュハートネット×ケイトベッキンセール、『パールハーバー』。

3時間の大巨編。
まぁちょっとこれは、あれ。
戦争映画として観るのではなく、ラブストーリーとして、細かいところはあまり指摘しなさんな、というところか。

とはいえ、指摘しちゃう。
こっちは日本人だから。

1941年12月8日の真珠湾攻撃。
太平洋戦争のキッカケ。
これを理由にアメリカは武器を手にとり、日本に宣戦布告し、第二次世界大戦に参加し、日本との太平洋戦争に乗り出す。

9.11もそうだが、アメリカはこうした武力による不意打ちを許さない。無差別テロや自爆テロなど容赦ない時として民間人を巻き込むような暴力に屈しない。これが彼らの“愛国心”。

そう言う意味での映画としては真珠湾攻撃の迫力はスゴイし、そこから立ち上がる戦意とヒロイズムはある。

そして、それがこのキャストで若き空の戦士達のラブストーリーが入り、個人的にキャッチーで好きだけど最後のフェイスヒルの“There You'll Be”があり、2人の男と1人の女の、世界規模の戦争の中での壮大な愛の美談に。

何だけども。
何だけども、その日本軍、そりゃないだろ。
何か青空の下で「尊皇」「極秘」だかの天幕貼って、池の上に船の模型浮かべて「揃ってますね」みたいな。
何でそんな青空会議設定にしたのか。
本当に青空会議してると思ってたのか。
他に何かそうせざるを得ない理由があったのか。
馬鹿にするのも大概にしろ、と。まずそこ言いたい。

いつも思うけど、こういう大規模なアメリカの代表する制作スタッフとキャストで世界規模で公開する映画が描く“日本の姿”がおかしいから世界が誤解するんじゃないのか、と。

とはいえ、この映画は日本人のことだけではなく、色々アレみたい。

まず、1941年時点でグリーンの零戦はなかったらしい。ガンガン飛んでたけど。

真珠湾攻撃は確かに日本軍に主力艦隊を蹂躙された歴史的奇襲攻撃。
その様相としてメタメタにやられている風景はきっとその時の悲惨さを写してる。

実際、当日もアメリカ軍も一般人も奇襲をいつもの演習だと思って気付くのにかなり時間がかかったらしい。
そういうモタモタしてる感じはあったけど。

そして、その破壊されまくった戦艦の中にも当時にまだ無かった戦艦がいるんだとか。

ダメでしょ、歴史的に超有名な出来事なのでそう言う時代考証はこういう時こそちゃんとしないと!

そして、1941年当時は日本の零戦の性能は世界一と評される能力だった。
なのに、何とか応戦しようと飛び立った米軍戦闘機P-40、2機。

この2機で世界一の零戦6機ぐらいを相手に結構やり合う、何なら追い返す。
まるで『トップガン』のマーヴェリックとアイスマンみたいだったが、性能差がこれほど“腕”で賄えるとは流石に思えない。

そこからのヒロイズムからの東京近辺の武器工場への爆撃、、、え?
急に時系列がよく分からなくなる。

そもそも「笹原工場」ってどこだ?
そして、日本への爆撃は1944年の下半期頃にサイパン島あたりが陥落してからいよいよ爆撃機が届いてしまった!のはずだけど、これはいつ、どうやって?

そして、その後、戻れないから通り過ぎて中国に不時着だ!と。
急に中国のど田舎に不時着した先になぜか日本兵。満洲とかそういうこと?
日本人のこちらからすると、日本人、さすがに戦時下と言ってもそんなにどこにでもいるほど人数いないと思う。
タイミングとかスゴい。

そして、その日本人とのすったもんだも何でか形勢が逆転するし。日本人を舐めんな!とは言いたい。
おまけにその後、中国軍が救いに来るけど、なぜか中国なのに迎えに来た中国軍がへーこらしてんじゃん、んなわけあるか。

この映画のアメリカ公開時の本国のプレミアム試写会は米軍の空母の上だかでやって、日本と日系のメディアは出禁だったとか。

スゴい話だ。今、そんなことやったら、かなり追い込まれるだろうに。
これはこれで逆奇襲攻撃じゃない。やり返されてる。

と、ラブストーリー以外に目を向けるとかなり恐ろしい作品。
素人が見ても、こっちが日本人だからか言いたいことが後を絶たない作品。

だから、ジョシュハートネットのカッコ良さとケイトベッキンセールの美しさとベンアフレックの勇ましいケツアゴに集中して観ることをお勧め。

ケイトベッキンセール、ホント好き。
それこそCGみたいに完成された顔だわ。
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