せーや

叫びとささやきのせーやのレビュー・感想・評価

叫びとささやき(1972年製作の映画)
3.3
そんなところに
そんなもん入れたらダメだって!
ダメだよ!あーーーー!

とある上流階級の三姉妹のお話。
病床に伏せる次女アグネスを中心に
繰り広げられる性と苦しみの世界。

これで計6作のベルイマン作品を見たけど
これが一番むつかしかった。
なんのこっちゃ全然わからないんだ。
でも、なぜか見入ってしまうんだ。
なんて監督だ!(小峠風に)

この映画は「赤」です。
最初から最後まで「赤」です。
しばらく視界から「赤」が消えません。
「赤」なんですよ。

病床に伏せるのは次女アグネス。
それを見守るのは長女カーリンと三女マリア。
(長女と三女は「仮面/ペルソナ」の二人だ!)
そしてアグネスの召し使いアンナ。

この人たちは一見
病気のアグネスを看病してるようにみえるけど
本当のところは一体…?

表と裏が
建前と本音が激しそうな三姉妹。
そして狂おしいほど性に夢中。

マリア以外はおば様なので
性に苦しまれるとなんだか悲しくなるんだけど
それも計算のうちなのでしょうか。

アグネスの苦しむ演技が一級品。
こっちまで苦しくなる…。

終始、緊張感がある。
あんなところにいたら息がつまりそう。
みんな何かを抑えつけてる。
これが上流階級なら、僕は上流階級にはなりたくない。
なれないけど。

今まで見たなかで
一番しんどいベルイマン作品。
でも初のカラーだった。
これがベルイマンのカラーなのね。

彼の色使いに驚いた。
せーや

せーや