TaT

叫びとささやきのTaTのレビュー・感想・評価

叫びとささやき(1972年製作の映画)
3.5
病床にある次女とその介抱のために集まった長女と三女。
死んだと思った次女が一度生き返るシーンにこの姉妹の関係が集約される。人を信じることのできない長女は「あなたのことは愛していない」と拒絶する。上辺だけの三女は最初は喜んだふりをするが、「手を取ってくれ」と乞う次女を気味悪く思い逃げ出してしまう。結局最後に残った家政婦しか真の意味での愛情を持っていなかったという悲しき事実。
希薄な愛情の原因が語られる訳でもなく、次女の儚い希望をばっさり切り捨てて物語は終わります。
潔いくらいに真っ赤な壁と白や黒のドレスとのコントラストが面白かったですが、物語には上手く入り込めませんでした。
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