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ホーンテッドマンションのコマミーのレビュー・感想・評価

ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)
3.8
【屋敷の謎と侵入する者の心】





「ホーンテッド・マンション」と言えば、私は真っ先にあの2003年のエディ・マーフィ主演の奴を思い出す。あれはあれで実にコメディ・エンタメっぽくて、尚且つティム・バートンのビジュアルが好きな方はとても楽しめる内容であったと言える。が、しかし自分としてはあの"アトラクションの興奮"を再現できてたのかと言うとそうではない気がする。"ディズニー・ランド"は一度も行った事がないので偉そうな事は書けないが、2003年の映画化作品ではそれを感じた。

しかし、今回の再映画化作品は、その"スリルをパワーアップ"させた作品だと言える。

しかもこの"ジャスティン・シミエン"と言う監督、過去にディズニー・ランドのキャストをしていた事があり、恐らくこのアトラクションの事も周知の上だった為、より忠実な映画化に成功したのだ。
そして今回の主人公:"ベン"はとても好きなキャラクターだった。"愛する人を失って"間もなく、その悲しみでしがらみを捨てた生活をしていたが、まるでその悲しみに誘われたかのように仲間と共に屋敷に挑むと言う、前回の主人公よりも"ドラマチック"に寄せた主人公になっていてとても馴染めた。それゆえに、悪霊祓いの依頼者の子供"トラヴィス"の"父を失った悲しみ"に向き合ってあげたりと"優しさ"が滲み出ていたその姿に感動した。この描き方は実に現代的で、私はこちらの方が馴染めた。

劇中に出てきた"魔法のカメラ"がとても興味深かった。まるでゴーストバスターズみたいではあるが、カメラの特殊なフラッシュ機能で幽霊達を映し出すと言う、いわゆる囮道具である。これが本当に作られたならば、心霊スポットも怖くないと感じ、とても欲しいと感じた。

役者に関していうと、今回も"ジャレッド・レト"が凄かった。"ハットボックス・ゴースト"という本作のキーマンとなる悪霊というか悪魔の役なのだが、あまりにも"面影が無さすぎて"相変わらずこの俳優はすごいなと感じた。言うほど怖さを感じなかったが、そのビジュアルや演技はまさに絶妙だった。
ベン役の"ラキース"の演技もとても良かった。ディズニー映画の主演になるまで上り詰めるだけあって、その悲しさとユーモアが入り混じった演技はとても素晴らしかった。
スタンドアップ・コメディアンの"ハサン・ミンハジ"や「シザーハンズ」などの"ウィノナ・ライダー"も登場するので注目だ。
"ジェイミー・リー・カーティス"の"マダム・レオタ"もとても良い。

アトラクションにより忠実で、2003年の映画化よりもドラマチックさが増していて、とても馴染みやすい映画化となった。正直、4DXで見なかった事が唯一の心残りなのだが、4DXで見るとより楽しめると思うのでオススメする。

シミエン監督は今後、あの「キャプテンEO」を映画化する構想を練っているらしいので、そちらも楽しみである。
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