『ホーンテッドマンション』ってタイトルなら「館」が主人公じゃなきゃダメだろ!
TDLの人気アトラクション「ホーンテッドマンション」を実写映画化。過去にはエディ・マーフィが主演で映画化もされたこともあるが、自分自身それを見たのも随分前の話なので、今回のリブート版について“のみ”書いていこうと思う。
公式サイトによると「二人を救うため、かなりクセが強い4人の心霊エキスパート(超常現象専門家、歴史学者、霊媒師、神父)が集結。」と書かれていることから分かる通り、あくまで人間主体のドラマにしていることが分かる。あくまでこの映画は人間ドラマなのである。
でも本作のタイトルを思い出してほしい。『ホーンテッドマンション』だ。「館」の話なのである。グレイシー邸と呼ばれるこの館こそ、物語の主軸であるべき話だったのではなかろうか?
どういうことか。この作品を見ただけではこの建物の構造がイマイチ理解できない。つまり、制作者はこのグレイシー邸の間取りをよく見せてくれないまま物語が終わってしまうところが問題なのだ。自分が制作者に問いたいのはこの建物を現実にあるように見せる気がありますかということ。この建物が実在感を持ってこそ、アトラクションとしての映画も活きるのではないか?
さらに本作で期待することはゴーストが起こす超常現象によってまるでアトラクションと化した館で右往左往する人間の姿を見にきたのであって(そんなシーンが無いとは言わない)、なぜこのような事態に陥ったのかを究明することに主眼を置いた映画なんて他にもいっぱいあるものじゃないだろうか?正直アトラクションの良さを殺して、数多あるホラー映画、しかも怖くないホラー映画に成り下がっているようにしか見えないのはディズニーが持つ武器を殺してしまっている。
確かに天下のディズニー作品であることから、笑って泣けるエンターテイメントとしての隙のなさは評価に値する。まあその泣ける部分、妻に先立たれた男や、夫が亡くなって新たな土地で再起をかける親子とか人間ドラマが薄っぺらいのはまた別問題か。