若き超人アルピニストの飽くなき挑戦に肉迫する傑作ドキュメンタリー。孤独なフリークライミングで無謀とも思える世界の山々の頂を目指し、次々とクリアしていく。
常人では想像もつかないほどの恐怖や孤独のなか、「ただこの山を登りたい」というピュアなマインドで挑戦し続ける映像をみて、あるときは心を揺さぶられ、ある瞬間は背筋が凍るような感覚を抱いた。
ただ、彼の果敢な挑戦に目を背けてはならない。
彼の生き様は生に対する根源的な問題を問いかけてくる。
たったひとつの命をどう使うか。
何をしているときが一番満足できるのか。
本当は何をしたいのか、何を成し遂げたいのか。
若者、特に10~20代の人こそ、ぜひ見てほしい。
いや、たとえおじさんおばさんであっても……。
日常に閉塞感や悩みを抱く人はきっと何かを感じられるはずだ。
それが彼とこの映画を作った人からのメッセージではないかな。
私自身、さまざまな感情が浮かんできた
比類なきエネルギーを放つ、彼の人生に拍手をおくりたい。