SNOW

アルピニストのSNOWのレビュー・感想・評価

アルピニスト(2021年製作の映画)
4.3

クライマーのドキュメンタリー映画を観るのが今作で3作目ですが1番衝撃でした。 

世界でも難易度の高い山肌や斜面を次々と登るとんでもない無名のクライマーがいる。
マーク・アンドレ・ルクドール。
命綱のロープを使わずに単独登山で挑み
続けている彼はなぜ世界から脚光を浴びていなかったのか。そんな謎めいたクライマーを2年間追ったドキュメンタリーである。

命綱ロープなしで登るクライミングはかなりハラハラします。難しい絶壁を涼しい顔して淡々と登る姿が信じられない。臨場感溢れる撮影が素晴らしく、高所の恐怖が映像からビシビシと伝わり、かなり圧倒され緊張して心臓がバクバク激しく鼓動。高所が苦手な自分には、ゾンビ映画以上の恐怖を感じた。

先程からクライマーと書いてますが、
クライマーとは何か。
クライマーとは登山者の中でも、特に岩登りをする人のこと。岩登りでも岩壁をよじ登るロッククライミング、氷の壁を登るアイスクライミングがあるそう。

マークのクライミング技術は神技でした。
無謀に登っているのではなく、数々の場数を経験して習得したクライミング技術。ただそのクライミングが身震いする。両足が壁から離れ手のみで支える宙ぶらりん。ドキドキで少し悲鳴出ました。笑 作品には見応えがあるクライミング映像が凝縮されています。

そもそもなぜ冬に登山するのか。
より困難に直面することで生きていることを実感したいのか。
マークが追い求めるのは何なのか。

以前に観たドキュメンタリー映画『フリーソロ』に登場したアレックス・オノルドも出演しています。こちらの作品も素晴らしかった。

必死に生きている被写体が映り出されるドキュメンタリーを見ると心がとても高ぶる。
「アルピニスト」はまさにその極致にある作品だ。
SNOW

SNOW