Jaya

琵琶法師 山鹿良之のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

琵琶法師 山鹿良之(1992年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

琵琶法師の山鹿良之翁のドキュメンタリー。初めてちゃんと琵琶の演奏を聞いた気がします(肥後琵琶というらしい)。こんなに美しい音とは。

当時御年91歳、老いに老いて、不自由極まる体でなお身の回りのことは自らこなす山鹿翁。見ていて信じ難かったです。

琵琶を手にすれば溌剌として小栗判官をはじめめ多くを物語る。声の迫力と琵琶との一体感は何だろう。て映し出される絵巻物が殊の外美しく感じました。普段の様子を含めて聞き取りづらかったですが、余計な字幕が無いのが良かった。

山鹿翁の半生についても解説的なものは最小限でしたが、彼の矜持がしっかりと伝わる構成が素晴らしかったです。圧巻はラストの木馬亭での公演。小栗判官の迫力が素晴らしかったです。

生活を通した山鹿翁の琵琶の音にのみ焦点を絞り、肥後琵琶の世界をしっかり楽しませてもらったような名作でした。いつかどこかでもう少し若い頃の演奏を聞いてみたいものです。
Jaya

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