のんchan

真実の痕跡: 殺人犯に挑んだ女性たちののんchanのレビュー・感想・評価

3.9
やっぱりこの手のドキュメンタリーは面白い⭐️
ソシオパスの男の話❗️

1990年代のパリにシリアルキラーが現れ人々を震撼させる。
それまでのフランス🇫🇷は連続性のある殺人事件が起きていなかったらしい。だから7人を殺害した連続殺人鬼ギー・ジョルジュの犯人逮捕に時間が掛かった。

91年から97年に美しく若い女性が殺されていたが、それが同一犯と気付かずに、個々の事件で済まされスルーされていた。その恐怖を丁寧に明らかに映像化した作品❗️

娘が殺された母親アンヌ・ゴーチェが執念で個人的に調べ始めたが、警察はろくに聞く耳さえ持たなかった。
しかし当時では異例だった女性警察官マルティーヌ・モンテイユが赴任し、そこからは犯人逮捕までアンヌと他の遺族たち、そして1人被害を免れ生き残った女性の力を結集していく。
実際に起きた殺人現場のリアルな証拠写真や映像が見られる。

現代では当たり前になったDNA捜査だが、当時のフランスには導入されていなく、この事件をキッカケに重要性を位置付けることになった。
遺族の粘り強い嘆願の結果、1998年にようやくDNAデータベースを導入した。

前半は捜査の手順などを見せ、後半は何日間にも及んだ裁判模様を見せる。それぞれの担当弁護士の心理葛藤も面白い。

しかし、犯人ギー・ジョルジュは極悪人には見えず感じが悪くはない青年だった(それは弁護士の入れ知恵もあったのだが)サイコパスではないのだ、彼はソシオパスだった。気の毒な生い立ちがその男を狂わせたのだろう。

犯人に同情はないものの、ラストではアンヌがマザー・テレサのように見える✨実際に獄中の犯人と手紙のやりとりを交わしている。
反省を認める心を持った人間として、向き合ってあげていたのには頭が上がらない...
のんchan

のんchan