こつぶライダー

わたし達はおとなのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

わたし達はおとな(2022年製作の映画)
3.5
日本の大学生版『ブルーバレンタイン』だった。

女子大学生の思いがけない妊娠を機に、過去と現実を交差させていく物語。

かなりリアルにこだわった脚本なのが見て取れて、派手な演出がない分、役者さんたちの演技が十分楽しめる。

主軸となる桐生麻生と藤原季節の恋路は、本気なのか遊びなのか中間地点。
まだまだ心が未熟な20歳そこらの男女には、子どもから大人へと成長する過程で一気に妊娠ってイベントが発生すると気持ちが追いつかないばかりか問題処理する機能もなくて闇が露呈する。

誰が悪いとか良いとか語るのではなく、登場人物の全てにリアルが滲み出ていて、これはこれでツラい。


でも、現実ってもっと残酷なんだよね。

自分も学生ではなかったけどできちゃった結婚だった。
長らく付き合っていて遅かれ早かれ結婚するつもりでいたからそこまで気にはしなかったが、お腹の子が本当に自分の子なのかは未だに分からない。

結局、子どもどうこうより、自分がどう在りたいか。
産み育てたいのか。
親になりたいのか。
もっと自分の時間を持ちたいのか。

そんな上手くいかないけど、二人の関係がどうかが重要ですし、自分の覚悟があるかどうか。

新鋭、加藤拓也監督。
予算つぎ込んでガッツリ系撮ったらどう化けるか。
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