horahuki

El esqueleto de la señora Morales(原題)のhorahukiのレビュー・感想・評価

4.0
聖人か?狂人か?

アホ過ぎてサイコーなやつ!!🤣
夫からのDVを自作自演ででっち上げる一方で、神父からは「聖人」だと褒められる敬虔なカトリック信者の奥様。逆に暴力を振われ悪人にされて流石に嫌になった夫が奥様殺害を試みるブラックユーモアたっぷりなメキシコを代表するコメディホラー。

足の悪い(とは言いつつも普通に歩き回ってる)奥様は病気とか言ってずっとベッドに篭ってるのだけど、特に何にもないのに、外にいる夫を色んな人を使って呼び出させて「病弱な妻を家に置き去りにして何事か!」的な評判を作り上げることに必死になってる。

肉はNG、エロはNG、夫に裸を見せるのもNG、夫の仕事(剥製師)もNG、「なんで結婚したの?」ってくらい夫の全てがNG…😅しかも病気って言い張る妻に薬を勧める夫にも「医師よりも正しいことを言うのは神。神が与えた苦しみを耐えれば神に近づける」とか言う狂信者。夫が大事に貯めてたお金を勝手に「教会の修復」のために神父に渡してるし…😱

全く暴力なんて振わない優しい夫なのに「私を拷問する怪物だ!」と神父に相談し、不倫してないのに「メイドと夫は不倫してる」と決めつけてる。コレは流石に奥様クソだわ…😂奥様が出かけた時にウッキウキで夫がメイドのところに行くもんだから「なんだ…不倫してるのか…」と思ったら、大好物(奥様はNG)な特大ステーキをこっそり作ってもらってるというね。この夫可愛いな🤣

キリスト教と結婚生活をとにかく茶化しまくってるのがサイコーに笑えるし、国や価値観によってあらゆる物事の本質が逆転していく現実の不条理を常に感じさせ、それに対してシニカルに指摘する主人公のキャラクターが面白い!もちろん結婚と宗教も含めて。犯罪について内面に言及するシーンがあるのだけど、このあたりは精神的自由と当時のメキシコへの批判が薄らと込められてるような気がした。流石ブニュエル作品の脚本を多数手がけたアルコリサ!ちなみに主演も『エル』の方。

長回しを利用したスムーズな場面転換、綺麗な視線誘導と場の主従を意識した上と下の構図、感情を残留させるよう捉えられたキャラの移動、ヒッチコック『断崖』オマージュ等々、メキシコを代表する作品といわれるだけあって、見てて楽しかった!キリスト教を突き詰めて神父を完膚なきまでに論破するとことか笑っちゃうし、しかもちゃんと公平さも保たれてて良かった👍
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