chinsuko

よだかの片想いのchinsukoのレビュー・感想・評価

よだかの片想い(2022年製作の映画)
3.6
コンプレックスの重さは自分で決めている

主人公のアイコは顔にアザがあることで、遊びや恋から遠ざかってきた。ある時「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本が出版され、コンプレックスに対する意識が変わってきた。そして本の映画化が決まり、アイコは監督の飛坂に恋をする。


アイコのコンプレックスは、学生の頃に友達に言われたからではなく、教師のありがた迷惑な一言で周りが気を遣うようになったのが原因とされています。正にその通りで、学生の頃は遠慮のない言動をしがちですが、全てが悪意のあるものではありません。見慣れれば逆にチャームポイントになって気さくに声をかけられやすくなり、友人も増える様に思えます。
実際自分の学生時代に顔の半分が火傷した友達がいましたが、性格が良いのもあって女子から人気者でした。

思い出はこのくらいにして、本作についてですが、どうもアイコはコンプレックスの重さを自分で決めてしまっている様に感じます。アイコは恋をし、今の自分から脱却したいと思うようになりますが、恋愛が上手くいかないこともあって、どうして良いのか分からなくなっています。

教授の言葉に「自分を変えたいと思っても、違う人には絶対なれない」とありました。幾ら悩んでも自分は自分でしかなく、性格やコンプレックス含めて自分だと言う事をまず受け入れて進みなさいと言われている様に感じます。


それらを理解したのか、自分に向き合う力を得たような、希望のある終わり方に感じました。
chinsuko

chinsuko