GOODNIGHT

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島のGOODNIGHTのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

正直、全く面白くなくて退屈でしかなかった。
以下、理由
・アムロの性格が違う。
テレビ版、映画版通してアムロは好戦的な自信家です。あと殴り合いも好きで内向的ではありません。作品の時点ではもう民間人ではなく職業軍人を選択しています。僕のガンダム!なんて言葉は吐かなくなったタイミングです。あのくらいの崖から落ちて気絶しません。してたらとっくに死んでます。
・戦闘が全く面白くない。
08小隊みたいな戦争観がない。MSの動きが変。ザクは切られた腕を押さえたりしません。ガンダムは変なジャンプして避けません。もっと思考の巡り合い、読み合い、戦術、やってくれないとドアンがなんで強いのかわかりません。
・ドアン
なんで、子供達と暮らしているのかわかりません。子供達は何処から来たのかもわかりません。動機は民間人を殺したことへの自責の念でしょうけど、スペースノイドの独立に燃える軍人が転向するには弱すぎませんか?ガトーがいきなり子供達とのんびり過ごすと決断するような動機じゃなきゃ納得できません。設定がエースパイロットなら尚更です。
軍人はなんでもできるんです。元自衛官なのでそう思います。軍人は一人でできることは全部できないと半人前なんです。料理、キズの手当、裁縫、車および重機の操作、修理、整備、土木作業。しかし核ミサイルのプログラミングは無理じゃね?
・サザンクロス隊
あて馬です。かませ犬。負けるべくして負ける人達。ガンダムではこうゆう人達が魅力的だから面白いのに。なんの魅力もない。美人もいるのに全く活かせてない。
なんなら、トップみたいにドアンに倒されて助けようとしてくる子供達に対人兵器を使って殺害してしまうみたいな描写がガンダムらしくなるんじゃないですか。所詮、二番煎じですが。
・ホワイトベース隊
ダメダメ。リュウさんは特攻して死んだ後。仲間もたくさん失った。ウッディ大尉も死んだ後。なんて緊張感のないクルーだ。残念すぎる。コアブースターには乗れないでしょ。トニーたけざきのガンダムマンガでコアブースターはぶっ壊れてました。無駄な演出ってかテレビ版の再現ならGファイターでよかったやん。あと西崎義展みたいな劇画みたいな演出は寒すぎて白目を剥いた。セイラさんも変な言葉使いで違和感しかない。もっとクールだったろ?
あと背中に乗るってセクハラだと思う訳ないやろ。あの状況で。無意味。
総括
安彦良和の画風が素敵なのは間違いないわけだが、模倣は模倣、モノマネはモノマネです。これでもかってくらい安彦良和のマンガでの表情表現とかをぶち込んでいたけど、なんとオタクっぽいというかF91くらいでいいよね。なんならガンダムだって安彦良和が作画監督してたんだから、シャープなラインが引けたと思います。新しいものはなかった。富野監督なら少なくとも子供に犠牲者がでた。これは残酷な描写がみたいという変質者なんじゃなくて、戦争という現実はそうゆうもんだから。ガンダムは戦争映画で、反戦アニメでも戦争賛美てもない。戦争という現実との向き合い方からヒトの生き方を見せる。そーゆー物語なわけ。この映画では、戦争の真っ只中にあり、戦争とは関係ないような描かれ方をしている。MSが暴れているところでは爆発は起きるわ粉塵は舞い上がるわ、日常でみたことのないような状況で子供達が「ドアンがまけるー」とか「羊が逃げた」とか言ってらんないでしょ。08小隊でのスラスターの排気で家屋が吹き飛ぶような状態の場所なら爆音と振動で、大人も震えが止まらないと思う。想像力の欠如。子供を扱うなら一層のこと。あとルッグンじゃなくてドダイYSがあるだろ!!
富野監督の偉大さが逆に際立つ作品になりました。
総括
ミハルが元気に帰ってくる大西洋血に染めてみたいな作品でした。
因みにミハルの兄弟がーみたいな二次創作は入りません。世界はそんなに狭くないので。

7月9日追記
戦争について。
 7月8日に安倍元首相がこの日本で銃撃に遭い凶弾に倒れた。この日本も平和であり続けることが如何に難しいのかと思った昨日の記憶です。
 この映画では、戦争について曖昧にしているからこそ違和感を感じるのです。
戦争は当然、人が死にます。とても悲しいことだし、あってはならないと思う。だからこそ人は話し合いができる生き物なのだから武器ではなく話し合いで解決すべきだ!と思います。
 しかしながら話し合いの限界を示すと枚挙に暇がなく、戦争を否定し続けることはまた困難なのです。
 従って、この映画のように脳天気に楽観的に戦争はダメって言うことをガンダムでしてくれるなと思ったのです。
 子ども達を登場させて戦争を否定するのは程度の低いプロパガンダのようで気持ち悪いです。
 実際に第二次世界大戦から80年弱たちましたが世界中でどれほどの戦争があったのか目を背けるのは大人な態度ではないです。
 たかがガンダムかもしれませんが、連邦軍、連邦政府に植民地扱いをされて自由を奪われた宇宙移民がジオニズムを生み出し挙兵するなんて、これまでの歴史の事実をなぞっているわけでありジオンが悪とか連邦が正義というわけではないのがガンダムという世界観の大事なファクターなのです。
 もう、戦争は悪!!いかなる理由があっても悪!という考え方を改める時期が来たのではないでしょうか。非常にセンシティブな話題ではありますが、物語は戦争の良し悪しを示すものではなく戦争をしてどうなってしまうのかそれを描き出してほしいです。
GOODNIGHT

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