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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

機動戦士ガンダム初代TVシリーズ15話をリメイクした劇場版作品。
地球で補給のため立ち寄った際、ホワイトベースのクルーたちにとある島の残敵掃討任務が下される。その島でアムロ・レイはザクと遭遇し、戦闘の最中、海へ墜落してしまう。負傷したアムロを助けたのはザクのパイロットであるククルス・ドアンと彼が育てている戦災孤児たちだった......という話。

ファーストガンダムは劇場版三部作しか観ておらず、リメイクもとの内容もほぼ知らない状態で鑑賞。あと最近のORIJINやユニコーンガンダムなどもほぼ見たことないニワカ(^^)

放映当時の子ども向けアニメの潮流の中で戦争の悲惨さを描いていた歴史的意義はあるものの、これを現代にリメイクするには地味すぎるのではないかと思って観始めたが、ドラマ部分もそつなくまとめられているし、最近のアニメの美麗な作画や重厚感のあるモビルスーツ戦も大迫力で思ったより見どころの多い作品だった。

他作品ではエグいくらいな天才的操縦技術で敵を圧倒するアムロだが、彼が自機を失って、等身大の少年としての側面が強調して描かれているのも特徴。最初は島の子どもたちに疎まれているものの、地道な働きやメカ少年としてのスキルで徐々に認められていくのも良かった。
そして、終盤のサザンクロス隊とドアンのザクとの死闘は手に汗握る熱さだったし、それまで影に隠れていたアムロのエースとしての操縦能力の高さには改めて驚かされた。ガンダム起動後数秒でザクをビームサーベルで貫く達人のような動きや、序盤に地の利を活かしたドアンに敗れた経験を活かして、逆にその手法で敵をしとめる応用力の高さも凄まじかった。ドアンの、子どもたちに気をつかいつつ密かに島を守るための策を進めていて、それが最後に明らかになる流れは上手かった。
難点は、やはり日常ドラマパートが薄くて演出もややイマイチかなあと。好みは分かれそうだが、終盤の緊張感ある空気の中に子どもたちとヤギのコミカルなシーンを挿入するのはうーんと思った。サザンクロス隊とドアンの因縁や過去をもう少し詳しく描いてもよかったかも。まあ、それでも古臭さや安っぽさはほとんど感じない良作だった。

ホワイトベースとしては、軍の政争の都合で参加した作戦で、ガンキャノン1機大破してもう1機やジムとコアブースターも破損してるし、海に落ちたガンダムも整備が必要と割と損害大きいなあ(^^)
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