まーしー

デスパレート・ランのまーしーのレビュー・感想・評価

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)
3.5
【ハシゴ劇場鑑賞➂】

森の中をジョギング中に流れた緊急速報——“全ての学校を封鎖”。
何が起きたのか? 学校に通う子どもたちは?
焦る母のエイミー(ナオミ・ワッツ)。
しかし、ここは森の中。周囲には誰もいない。学校まで距離もある。
エイミーが頼りにできるのは、手元にあるスマホ1台のみだった——。

ナオミ・ワッツ独演のワンシチュエーション・スリラー。タイトルは「必死の走り」という意味。
スマホ1つで色々な人と繋がる現代らしい設定。
スマホを通じた会話で状況把握するところは『THE GUILTY/ギルティ』を連想するし、スマホを駆使して情報収集するところは『search/サーチ』とも重なる。
二番煎じ感は否めないが、個人的にはそれなりに楽しめた。

というのも、ノンストップの展開で、かつ90分程度にまとめられているから。
スマホから情報収集する過程で、学校で起きた事態も二転三転するし、子どもたちの安否も揺れ動く。
その都度、学校へ向かうエイミーの足が早まる。
ストーリー、映像ともに疾走感にあふれていた。そして、箸休めとばかりに俯瞰的に映される樹木の風景が美しかった。

一心不乱に走り続けるエイミーの姿には胸が痛くなる一方で、共感できない行動も。
窮地に追い詰められ視野狭窄に陥っているのかも知れないが、理解しにくい場面があった。
それでも、迎えたラストシーンには涙が出そうに。
これがハッピーエンドかバッドエンドか、ぜひ、ご自身の目で確かめていただきたい。