ぶみ

デスパレート・ランのぶみのレビュー・感想・評価

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)
2.0
スマホ1台で息子を救え!

フィリップ・ノイス監督、ナオミ・ワッツ主演によるスリラー。
森の奥でランニング中、息子が高校での立てこもり事件に巻き込まれた可能性があることを知り、息子を救おうとする母親の姿を描く。
主人公となる母親エイミーをワッツ、息子ノアをコルトン・ゴボが演じているが、実際に登場するのは、ほぼエイミーのみ。
公式サイトにも、「『search/サーチ』『THE GUILTY/ギルティ』に続く予測不可能な新感覚シチュエーション・スリラー」とあるように、登場人物一人がデバイスを使って情報を集めていき、実際に何が起こっているかを観る側の脳内で補完させるという展開は、掲げられている二作と同様。
『search/サーチ』では、主人公のITリテラシーがかなり高かったが、本作のエイミーはSiriと通話がメインで、あとはマップやニュースアプリを参照する程度と、スマホを活用して、と言うよりは、自身のコミュケーション能力をフル活用しているとともに、スマホの機能の殆どを活用できていない私としては、共感した次第。
ただ、残念ながら、エイミーの行動原理に共感を覚えるところが正直皆無であったため、面白さより、エイミーに対する苛立ちが勝ってしまったのも事実であるのに加え、日本とは違う銃社会をテーマとして扱っていることから、全体的にのめり込むことができなかった印象。
また、エイミーが終始走り続けるのならば、邦題のランでも良いが、そうでもないため、原題のアワーのままで良かったのではなかろうか。
設定としては面白いのだが、エンタメ度は決して高くなく、もう一捻りあっても良かったのではと思うのと、走ると言うよりも、息子を愛するが故に暴走してしまっている主人公に、とにかく落ち着けと言いたくなる一作。

今の我々はゼロ秒だ。

※この日は、平日のレイトショーとは言え、公開一週目にして貸切鑑賞だったので、興行収入が心配です…
ぶみ

ぶみ