柊

標的の柊のレビュー・感想・評価

標的(2021年製作の映画)
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新聞記者が真面目に取材をして真摯に書いた記事が捏造と言われ、その後執拗に弾圧され、職場を追われ、家族も脅され,と言った状況を闘い抜いている現在進行形のドキュメンタリー。

忘れてしまいたい過去を死ぬ前に最後の勇気を振り絞って告白した貴重な証言を頭から否定した暴挙。そしてそれをしているのは紛れもない国家権力。その先鋒となり恥も外聞もなく己の過去の発言さえも完全に無視して権力にへつらう輩。
今この国家権力は私達一般市民の見えないところで巧妙に操作され支配されている。
しかし盤石に見えた国家権力のコントロールも先の統一教会絡みで小さな歪みを生む。

国家権力の統制力が静かに日常生活を侵食していく様は戦後からずっとヒタヒタと忍び寄っていたのだろうと思う。
どんなに争ってもよく見えない国家権力により闇に葬られた事案は数え切れないのだろうと思う。

だかしかしだ。真実はいつか必ず暴かれる。と信じてその先鞭を走る人々を応援していきたい気持ちが湧いてくる。

娘さんの決意に敬意を表して、この作品を評価したいと思う。

だがしかし、自主上映の落とし穴。スクリーンに映し出された映像は天地左右共に完全に切れた状態で上映された。普通の映画館なら怒号が飛ぶのではないかと思ったが、そんな事もなく信じたくないけどそのまま上映は続行された。
これお金とってる上映会。ありえない。

なので作品の評価はしたいけど、上映のあまりの杜撰さに点数つけられない。
柊