KingKazukiManji

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのKingKazukiManjiのレビュー・感想・評価

5.0
アメリカという国の異常な部分を露見させてくれた。露見というか、そもそもアメリカ国内においては日常茶飯事なのかもしれないが、少なくともアメリカにポジティブなイメージを持っている観客に大きなショックを与えていたように思えた。

アメリカという国の異質さには気持ち悪さしか感じない。その異質さの根本には、実際にケネス・チェンバレンが人生で体験したような差別や侮蔑といった歴史が積み重なって起こった不幸のようにも思える。

何故ケネスはあそこまで拒み続け、警察はあそこまで過剰になってしまったのか。。。

とにかく万人が観て、体験して、考えなくてはいけないのだ。

そういう意味では、リアルタイムで進行していく本作のストーリー運びには、まるで自分がケネス・チェンバレンの死に際の恐怖を体験しているかのようになる作りは素晴らしかった。

結末を知っているのにも関わず、惹き込まれる作り方と、終始緊迫させられるような演出が良かった。エンディングも素晴らしく、映画が終わっても、この事件のことが頭から離れない。

実際に映画で知るまで、この事件のことすら知らなかった。社会はそう簡単には変わらないが、彼らの物語を知ることから、その1歩が始まるというISOのコメントには力強く頷けれた。

モーガン・フリーマンは実際制作にはほとんど関わってないと思うけど、彼の知名度を借りて、万人が観てくれることを祈ってる。
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