レイラ

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのレイラのレビュー・感想・評価

4.0
改めて今起こっている出来事だと突きつけられる映画だった。 

耳障りなドアを叩く音と何度説明しても安否確認とどうしたかしか聞かないライフガードのお姉さん、これだけ大事になってるのに誰もヘルプに来ない1時間半。イライラとうるささにこっちまで焦ってくるし叫びそうになる。でも本人はパニックとそれ以上の恐怖になんとか飲まれないよう必死にドアを叩かないで、帰ってと叫んでるのが見ていてとても辛かった。
結局過去に何があったのかはっきりとは描かれていないものの彼の抱える恐怖は私たちには到底想像できないほど大きいものででもそのほんの一部がフランキーの迫真の演技によって伝わってきて、いいからドア開けちゃいなよとはどうしても思えなかった。

どんどん雲行きが怪しくなり眉間に皺が寄ってきて息もしにくくなる83分。
重くて速くて冷静でいるのに疲れるんだけどやはり見てよかった。そしてこの指揮を取ったのがモーガンフリーマンというところにどう表せば良いかわからないが鋭くも優しい情の重みを感じる。
レイラ

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