叡福寺清子

キリング・オブ・ケネス・チェンバレンの叡福寺清子のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

視聴中思い出したのはデトロイトでした.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.そう評すれば,わかる人には本作がもたらす緊張感が伝わると存じます.

持続する緊張感,極限状態だからこそ漏れ伝わる人の本音.作中では語られませんが,幾たびも白人警官に嫌がらせを受けたと想像できる演出と演技.故に,ケネスさんが拒否する気持ちは理解できます.一方の警官が警官で,多少は意固地になっているきらいはあるものの,犯罪多発地域における職務を全うしようとする職務責任も理解できます.実際上階から降りてくる不法外国人っぽい男性を見かけたし,気を抜いたら「死ぬのは自分」という経験もまた幾度も経験されておられるでしょうし,上官への報告も疎かにしていませんでした.ですので,最期の発砲以外の行動は,裁かれるべきではないと私は無罪になった事に理解いたします.そう,最期の発砲以外は・・・

『ストールン・プリンセス』のレビューに記載したように,私は画面に写った事柄のみを評価の対象とする考えなので,この段落の内容はスコアに反映されるものではございません.それを前提としてでございますが,視聴中に感じたのは,「でも君らブラックピープルの亜細亜人侮蔑も酷いんやで」って事でございます.ケネスさんの死は悼まれるべき事柄かもしれませんが,その死に憤った若者が日常的に実行している亜細亜人への暴行や差別が無視されていいわけではありますまい.もし,ケネスさんが黒人ではなく日本人やアラブ人だったなら,本作は製作されていたでしょうか.ホンットにおまいら,「そーゆーとこだぞ!」って嫌味の一つでも言いたくなりますよね.なにが,ブラック・ライブス・マターだよ!!亜細亜人だって,踏ん張って生きてんですよっと,くりゃぁぁ.