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キリング・オブ・ケネス・チェンバレンのHIのレビュー・感想・評価

2.6
早朝のニューヨーク。独居老人のケネス・チェンバレンは医療機器の通報機能を誤作動させてしまう。オペレーターの依頼を受けて来訪した警官らは立ち入りを拒むチェンバレンに不信感を抱き、やがて高圧的な手段を取り始める。

2011年に実際に起きた事件を基にしたサスペンスドラマ。タイトルでオチが分かるが、なぜそのような結末に至ったのかを緊迫感と焦燥感を高めて描いている。
主役は『地獄のデビルトラック』『ドゥ・ザ・ライト・シング』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』等のフランキー・フェイソン。製作にはあのモーガン・フリーマンが携わっている。

観る前から胸糞悪い系だと思っていた。キャスリン・ビグローの『デトロイト』ほどの心の沈みはなかったが、思い込みと人種差別の怖さは伝わる。
第一報で駆けつけた新米の警官(風貌や名前からアングロサクソンではなく移民系)が唯一の良心だが、周りの白人警官に気圧されて好転せず。やがて「絶対に家に入れない」と「絶対に安否確認をする」がぶつかり合って最悪の結末となる。
差別発言をした白人警官に黒人警官が激怒し「被疑者vs警官」どころではなくなる大混乱シーンが好き。

エンドクレジットで通報時の音声やチェンバレン氏と警官のやりとりの録音が流れる。ノンフィクションであることを否が応でも認識させられる
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