えり

レイジング・ファイアのえりのネタバレレビュー・内容・結末

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ベニー・チャンの遺作となった本作、ニコラス・ツェーが元警官という役どころと知って楽しみにしていたのですが、期待どおりの作品でした。
正義感が強くまっすぐな男と、その弟分であった男。
しかし二人の行動が入れ替わっていても、おそらく運命はそっくりには逆転することはなかったでしょう。
ンゴウも婚約者の拒絶がなければ或いは……など思っても、そこで手にかけてしまってはどうしようもないんですよね。ンゴウたち一味には悪役でありがらも悲哀を感じてしまって憎みきれません。最初に悪い顔したニコラスを映しておいて、さわやかな過去のニコラスを後から持ってくるのは反則的では?かわいい。

カーチェイスと肉弾戦がこれでもかと詰め込まれてまったく飽きない二時間、ラストシーンの尖沙咀での銃撃戦は熱かった!
あんなところで!広東道をあんな風に爆走して!地下道でそんな!と手に汗握りました。

「来世でも兄弟だ」

ンゴウの台詞に彼らが来世で報われることを願ってやみません。
果たしてンゴウたちが善人なのかと言われると……ではありますが、それでも。

それにしてもあのエンディングロールはたまらない。
ベニー・チャンへの感謝と愛情がぎゅっと詰まったような映像の数々に涙が出そうになりました。
監督、どうか安らかに。
えり

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