とらキチ

レイジング・ファイアのとらキチのレビュー・感想・評価

レイジング・ファイア(2021年製作の映画)
4.7
皆様のレビュー評価が高かったので鑑賞。
コレはスゴイ!メチャクチャスゴイ!!思わず観ながらずっと「こりゃスゲ〜わ!」って呟いてた。
あの市街地戦からの流れは「ヒート」「ザ・アウトロー」を超えて映画史に残るモノだと思う。何故なら前2作は銃撃戦の後、基本的に射殺されてケリがついていたけど、今作ではその凄まじい銃撃戦の後、更に命を削って一対一でぶつかり合う肉弾戦というおかわりまで待ち構えているのだから。それだけじゃなく、香港市街地でのカーチェイスシーンとかも、どのように撮っているのだろう?と不思議な程のクルマとバイクの絡み方だったし、更には本当にテレビで見た事あるような香港の目抜き通りを走っていたりして、許可とかどうやって取っていたのだろうかと感心してしまうほど。
香港警察の熱血警官ドニー兄貴と対峙するのが、かつて兄貴の同僚警官だったンゴウ達。彼らが何故警察組織に恨みを持ち、凶悪犯罪を次々と犯すようになったのか、それをインド映画並の丁寧な回想シーンの繰り返しで描いている。そんな境遇を見ているうちに、自然とンゴウ達に肩入れして観てしまうことになる。だから市街地戦時のバス車内でのくだりとか、つい涙が出てきてしまう。ラストでンゴウが語っていたように、この2人、警察官として、ほんの紙一重の差がこれほどまでの違いにまでなってしまった…というのがとても切ない。そしてそのンゴウ役のニコラス・ツェーがメチャクチャカッコイイ!アレは惚れるわ!
これぞ現代香港映画アクションの神髄!たるものを見せてくれて、本当にオススメ!
監督、ベニー・チャンは2020年、58歳の若さで亡くなってしまっており、今作が遺作。エンドロールではそんな監督の在りし日の勇姿が流され、涙を誘う。
先日鑑賞した「ただ悪より救いたまえ」でもそうだったが、入場時にポストカードを頂いた。こうゆうのが地味に嬉しい。
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