これで『JSA』以降のパク・チャヌク長編監督作マラソンは完走。とはいえ、本作が一番微妙だったかも。高熱で辛い時に見る夢に出てくるNHK教育テレビのようなファンタジーな演出に、ちょくちょく顔を出すパク・チャヌク印のカメラワーク。『ショック集団』でも思ったけど、精神病棟の廊下ってめっちゃ映画映えするんだよな。
パク・チャヌク作に共通するテーマである異文化コミュニケーション、コンフリクトが他の作品より平和的な分、何を見せられてるのか分からなくなる時間が多かった。いつもならアクセントになるギャグシーンも、弾数が多いのでちょっと疲れる。
精神病棟を舞台にキャラの濃い人物がたくさん登場する、という設定自体かなりベタだし、テーマ的にも『まぼろしの市街戦』という大傑作と張り合わざるをえないのが苦しいところ。