ペコリンゴ

夜行バスのペコリンゴのレビュー・感想・評価

夜行バス(2020年製作の映画)
3.6
記録。
「愚かな生き物だ」

SSFF & ASIA 2021 オーディエンスアワードを受賞した台湾産のアニメ作品。

最終の夜行バスにてネックレスの盗難が発生したことに端を発する、人間のエゴと愛憎を描いた作品。

これは胸糞というか露悪的というか…。
とにかく不快。

そんな物語を織りなす登場人物は…

・客を顎で使う偉そうな運転手
・見るからに性格の悪そうな金持ちBBA
・真面目風 出歯亀リーマン
・顔が薄汚ぇ作業員A
・顔が薄汚ぇ作業員B
・リーマンの嫁(妊娠中)
・グラサン

以上7名。
人間以外では…

・お猿さんマザー
・お猿さんチャイルド
・お蛇さん
・お蟹さん

独特なタッチの画風は昨今の日本のアニメーションではあまり見られない類。監督は日本のアニメーション/人形作家 川本喜八郎の影響を公言しています。

観ていて気持ちのいい作風では無いものの、こうも直球で人間の暗部を見せつけられると見入ってしまいます。

僅かながらにグロい描写もありますが、僕なんか柔らかすぎる人体にツッコミながら観てたんで多分苦手な人も大丈夫。この映画のキモい部分ってそこじゃ無いですしね。

怖いかと言われればそうでもありませんが、終盤の”彼”の表情にはちょっとゾっとさせられました。

動物の顔にビビらされたのは『ウィラード』以来かも…