櫻イミト

恐怖のロンドン塔の櫻イミトのレビュー・感想・評価

恐怖のロンドン塔(1939年製作の映画)
2.5
ユニバーサル・ホラーの流れで作られた古城史劇。シェイクスピアの戯曲『リチャード三世』で有名な史実の映画化。

15世紀。王位の略奪を目論むグロスター公リチャード(ベイジル・ラスボーン)は、王である実兄エドワードに死期が近付いていることを知り、自分より上位の王位継承者たちを忠実な部下モード(ボリス・カーロフ)に命じて次々と排除、次兄クラレンス(ヴィンセント・プライス)をも手に欠けのぼり詰めていくが。。。

1937年にホラー映画制作の幕を引いたユニバーサルだったが、映画館からのリクエストにより1939年に再開。「フランケンシュタインの復活」(1939)と本作を同スタッフで制作した。被っているキャストも多い。

しかし本作のホラー要素はボリス・カーロフが不気味な暗殺者を演じているぐらいで、全体的には史劇の作り。殆どの身内殺しはロンドン塔内で行われる。残念ながら演出のメリハリが弱く微妙な仕上がりと感じた。

本作が映画出演3本目のヴィンセント・プライスがやられ役を演じているのがちょっとした見所か。
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