シノ

茶飲友達のシノのネタバレレビュー・内容・結末

茶飲友達(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

年齢性別立場は違っても人はそれぞれの形とそれぞれの大きさの孤独を必ず抱えてると思って、それが生活に支障のない人もいるけどこの「ティーフレンド」に関わる人は顧客も運営側も全員がその「孤独」が大きめな人たちの集まりなんですね。

マナに対して、最初は高齢者を食い物にしてる胡散臭い女に見えて、彼女のバックグラウンドを知って同情して、でも最後婦警に「自分の寂しさを他人で埋めるな」的なことを言われてて「確かに」となったし状況や言葉一つでその人への見方ってあっという間に変わる。
だからこそ何が正解とかはないのに漠然とした「正解だろ」の思い込みで生きてる人が多くて、そこからこぼれ落ちた人たちが生きづらいんだ…と感じた。

確かに正しい=幸せではないけど、法を犯してまでなのか?とか、でもそう思えるのは自分が特権側にいるからそうしないと生きていけない人たちの事をわからないだけでは?自分が高齢化したり生活保護を受ける状況になったら当事者だけどどう?とか色々考えた。いつでも人は弱者の立場になり無関係な人はいないなと。

全員とても良い演技だったけど特にマナ役は本当にすごかった、どんなワークショップを経たらあんなに剥き出しと上っ面を使い分けられる…?
チカの考えなしなちょっと陰キャな感じとかもすっごい上手かった。最後のシーンもかなり利己的で良かった、でも人間てそうだよな。全員「正しくない」から…。

心のこもってない「承知で〜す」、今後使っていこうかな。
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