実際に起きた高齢者売春事件をベースにした社会派映画。
いや〜今年ベスト級の邦画がきてしまった。こんなにも胸の内からグワーっと何かが押し寄せてくる映画久しぶり。本当に観て良かったしもっと上映館が多くなる事を願うばかり。
様々な人間の心理と社会問題が複雑に絡み合う。人間関係が希薄になっているこの社会の中で「孤独」や「寂しさ」を一体どうすれば良いのかという点に焦点を当て、それを愚直に問い直す。
それだけでなく"一人でいるから孤独や寂しさを感じる。"というありふれた答えのようなものの危うさを描いている点がより真意にベクトルが向いているように思う。何故なら一人でいるより誰かといる方が孤独や寂しさを感じることなんて山ほどあるから。じゃあどうすれば良いのか。そもそも『孤独』とか『寂しさ』の正体は何なのか。
ラストのマナのように自分の中にある太い一本の幹が崩れ落ちる感覚をこの映画を観て追体験できた。それと同時に辛く寂しいこの社会で生きてかないといけないのだと打ちのめされた。
