少し前に「夜間もやってる保育園」というドキュメンタリーを観た。そこの園長先生は、利益度外視で使命感に燃える人だったけど、夫と子供を置いて出奔した過去もあった(どちらかの実家で子供を育てられる環境もあり、のちに子供とは和解しているそうだが)。
園長先生と、この映画の主人公のマナの違いってなんだろう。園長先生にはやはり、贖罪の気持ちがあるんだろうと思う。自分の子供にできなかったことを、全身全霊尽くしてよその子供にしている。埋められない気持ちを、与えることで埋めてる。でも、マナは違うな。自分がもらえなかった(と感じている)ことを、得ることで埋めようとしてる。なのに埋まらない。始末が悪いことに、マナは自分では与えてると思っていて、刹那それで幸せを感じる人々がいたとしても、それはとても脆くはかない。
正しいことだけが幸せじゃないんだよ、とマナは何度も言っていた。それは口に出して言うことじゃないんだよ、と私は思う。
