ささ

茶飲友達のささのネタバレレビュー・内容・結末

茶飲友達(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自分の両親は退職後も朗読会に行ったり、ゲートボールやカラオケに忙しそうにしてたけど、今思うと社会との繋がりや生きる活力を得ようとしてたのかも。

冒頭の1人のおじさんが茶飲友達(ちゃのみともだち)を知って、茶柱が立ってて、主人公が「ティーフレンドです!」って流れとポップなタイトルロゴに笑った。

常識の話があるけど、法律や行政は対象の理想像があって。でも現実はもっと生々しく複雑で当てはまらない人もいる。
おじいちゃんやおばあさんは縁側でぼーっとしていて欲しいってイメージがどれだけ残酷かを最後に魅せてくる。

他作「37セカンズ」を思い出した。この作品では少女のジュブナイルと障害者の性欲について語られていたが、「茶飲友達」は終活と老人の性欲についてで対称的。でも共通の親子の話でもあるので比べて観てみたい。

妊婦の支援やホームレスの元パン屋さんの様に国の支援や真っ当なやり方では生きていけない人がいる。

主人公の風俗での経験を活かして、比較的危険の少ない茶飲友達を作っている。

性欲はそのまま生きる活力の様に思えるので、自殺を止めているのはセーフティネットにはなってると思う。

でも、これが結果的に延命治療になってしまっている様で難しい。

パチンコや万引きの様な依存症の問題が出てくる。依存症は心の病気で適切な対応をしないと。素人がどうこうできる問題じゃない。

いつの間にか茶飲友達もファミリーという理想像に縛られていたのかも。

「これが本当の姿なのかもね。」
「あんたに分かるわけない。」
「1人で死にたくなかった。」

また他作の「ハッピーエンドの選び方」という作品を思い出した。老人ホームのおじいちゃんが安楽死装置を発明し、メンバーが使っていく話。
現代の老後の死を待つ生活は思った以上に長く、死よりもどう死ぬかが重要になるみたい。
この感覚はもっと歳を取らないと体感は出来ないのだろう。

家族ってそこまで綺麗じゃない。
人と人のエゴのぶつかり合いや我慢のしあいの所も多いと思う。
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