新聞に『茶飲友達募集』と三行広告を出し、連絡してきたお爺さんに売春を斡旋するマナ。
経営者のマナは若い美人だが、性接待を行うキャストは客と同世代のお婆さん。
ソープランドよろしく、『中で男女が勝手に自由恋愛することもあるけどウチは入浴料しか頂いてないし売春なんかさせません』の建前で、茶飲友達でのサービスには茶柱を立てた玉露が提供される。そこにバイアグラもセットなのが切ない。
拠り所の無い老婆達と、同じく拠り所の無いマナ達は『ファミリー』として共に働き絆を深める。順調に会員を増やしビジネスは軌道に乗るが、ある日事件が起こり…。
老人キャストと経営者達の深い欠損感が具体的に描かれており、御為ごかしのサービスで自分の孤独を埋めてきた経営者マナという難しい役を演じた岡本玲が見事だった。年配女性に性接待させるんじゃなくてお前が行けや卑怯者と思いながら観ていたが、元風俗嬢との背景もありそれはそれで複雑な気持ちにさせられる。
そしてなんとこれは実際の事件に構想を得た映画だという。
色々考えさせられる良作。
