このレビューはネタバレを含みます
社会的に意義があることが正しいこととは限らないっていう社会の矛盾を本当に上手く脚本に出来ていると思った。
とにかくしっかり物語を描く登場人物が多い。その文、どの人物描写も浅く、結局どうなったの？という最後まで描ききれていない。でもこの作品は「世の中に無数にいる孤独な人たちが欲しているものは何か？」みたいなことが一つのテーマだから、一人の人物を深掘る形ではなく、ティーガールズの面々、アテンダーとして働く若者たちそれぞれの人生を描くっていう今回の構成は、当てはまっているのかなと思った。
あれだけファミリーだって言ってみんなで楽しそうにして「居場所見つけた！」みたいにしてたのに、摘発されそうになると一瞬でみんな消えて、
最後にやってきたのがとにかく嫌いだった母親。そして「家族なんだから」と急に言い出す。
普通に考えたら、これだけ家族以外の人との触れ合いによって孤独を解消する「違法だけど社会に必要なもの」として高齢者風俗を描いてきたのに、結局最後血の繋がった家族のところに行き着くのかい！？と矛盾に感じるけど、
個人的には監督のメッセージとして「家族以外の人との触れ合いで高齢者はもっと豊かな人生が歩めるよ。でもやっぱり一番は本当の家族だから、家族が生きてるうちは精一杯本当の家族と幸せな時間を過ごした方がいいですよ」っていう考え方があるのかなと思った。
