からかす

雨を告げる漂流団地のからかすのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
3.0
普段ディズニーとかドリームワークスは観るけど
日本のアニメーション映画を数多く観てない方ではない。

とても絵が綺麗だし声優の演技も素晴らしいし
ところどころウルっとくるものはあるんだけど
全体的にはどこか少しノれない。

話の中核は"思い出を置いていく"ことだと感じるのだが
なにせ思い出への取り憑かれ方が過剰というか。
もはや妄執と言ってもいい。
劇中何度も立ち直らせようとするのに
また取り憑かれる。
麻薬中毒者か呪いのビデオかのようで
正直思い出ごとコイツも置いていこうと感じてしまう。
(私自身が思い出の断捨離をし過ぎた弊害かもしれない)

アクションが主体の映画ではないが
ピンチの演出がワンパターンが過ぎる。
誰かがピンチに陥り、それを他の誰かが助けようとすると
入れ替わりのようにそっちがピンチに陥る。
これの繰り返しでさすがに芸がない。

そして数少ないアニメ邦画の鑑賞歴全般で感じることだが
本作でも心情をセリフで喋りすぎ。
声優は上手いから喋らせたくなる気持ちも分かる。
押井守ほどセリフを削げとも言わない。
でもせっかく綺麗な絵で十分表現できている部分まで
セリフで説明させるのは粋じゃないと思う。
からかす

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