パルパティーン

雨を告げる漂流団地のパルパティーンのレビュー・感想・評価

雨を告げる漂流団地(2022年製作の映画)
3.6
小学6年生でここまで露骨に感情を表に出せないのは少し拗らせすぎではないかと思ってしまった。そしてなつめの言動や行動にとてもイライラしてしまった。帰還することが最終目標なのにそこまで自分勝手になるのもどうかと思った。自分は心が狭いのかな?このなつめの感情や思いに共感できた人はこの物語を面白いと思うんだろうなと感じた。

これは忘れ去られたり、壊してなくなったものが流れてくる。団地も同じで壊されるので、団地が主な舞台になっている。今度公開されるすずめの戸締まりに少し似ているなと思った。

あの精霊たちの墓場みたいなところのシーンで感じたことは、「死というのは2度ある」ということである。1度目は生死の死であり2度目は世の中に忘れ去られた時の死である。その場所がなくなりじきに忘れ去られる。なつめにとってはあの団地の家にたくさんの思い出があるが、そんななつめに言いたいのは、物としての団地は無くなるが、心の中にずっとあるだろうと。

あの陰の化け物みたいなものは、なつめの負の感情を擬態化したものではないかなと思う。もしのまれたらどうなるのかというのを表して欲しかったなとは思った。

思春期で相手のことを異性として見るのは通る道ではあるが、気持ちを伝えてぶつけろよと思っていたらこうすけがぶつけたのでそこはスッキリした。

個人的にはタイシのキャラが好き。


2022年48本目