原作に比べてかなりスケールが小さくなってしまっている。
原作では何故アテナこと沙織さんは黄金聖闘士たちに狙われてるのかというギリシア神話と神殿を舞台とした大掛かりな謎解きの要素があったが、本作ではキド家族に何があったのかという謎解き構造になっている。
つまり本作では家族にフォーカスした至極私的な物語になり下がってしまっているのだ。
小宇宙と書いてコスモと呼ぶそのパワーは原作では古代ギリシアの神話を引き出す宇宙的なパワーであったはずでそのスケールの大きさに興奮したものである。そのスケールの巨大さをとらまえて欲しかった。
それと個人的には原作におけるメタリックな聖衣(クロス)がモチーフとなる動物の姿から分解され、聖闘士が装着できることにわくわくしていたので、本作でクロスがコスモの強さで見た目が変わってしまうギミックが残念で仕方なかった。
そしてアテナ役はツンデレキャラであるべきだ。
本作では、原作の設定の一部を踏襲しつつも、人間的な物語に仕立てることで観客の情に訴えかけようとし過ぎてるきらいがある。
一方でマリンさんのシルバークロスの仮面や佇まいは原作を超えて不気味でよかった。
