このレビューはネタバレを含みます
午後ローで流れるような軍事アクションの濃度を100倍濃くした奴。
二時間位の中に見せ場の数は三つの程とかなり少ないが、一つ一つの尺が恐ろしく長く、しかもアクションと並行しながらドラマがちゃんと進んでいたりする為、アクションとドラマの断裂は余り感じなかった。
そして気になったのが、話が進むに連れてアクションの規模が小さくなって来ることである。
1つ目の見せ場(監獄脱走→カーチェイス→列車上の戦い)は一連の全てをワンカット風のカメラワークで魅せるため、撮影時の苦労が半端ないであろう事が伺えるとち狂った場面となっている。
しかもヘリが2台位出てきたり、敵がウジャウジャ沸いて追走してくるため敵の規模がデカい事を瞬時に分からせる物となっている。
2つ目の見せ場(ビルの戦い)はこれまでとは違い見せ方もよくある一流アクションのカット割りで、敵の人数も是迄より少なくなっていて、尚且つヘリの数も2台から1台に減っている。
そして最後の見せ方はレイクvs親玉の泥臭い殴りあいと規模が一気に落ちてしまっている。
この殴りあい迄に主人公の動機が任務の遂行から個人的な復讐に徐々に変わっていき、親玉もこれまで宗教的な心境を捨て敵討ちへと完全にステップアップしていっている。
これを踏まえるとこの映画の見せ方は個人の戦いへと集約していく様を、見せ場の規模の縮小で見せているのではないかと考えてしまう。
まあその分盛り下がっていく訳やけども