しの

タイラー・レイク 命の奪還2のしののレビュー・感想・評価

3.6
長回しアクションの最前線が観られるシリーズとして今回も歴史を更新してきた。脱出する前半と迎え撃つ後半、横に広がるフィールドと縦に広がるフィールドで技法以外でも面白さを差別化していて満足度高い。物語は前作以上にかなり表層的なので純度高いドンパチ映画。

死に様までたっぷり遊んでいる。面白い殺され方をするだけではなく、ちょうど掘ってた穴に落ちたり水に落ちたり。ピタゴラスイッチですよ。あと防弾チョッキ着てればノーダメです、みたいな開き直りも凄い。こうなるともう敵がゲームのNPCにしか見えない。命が軽すぎ。

物語は一応「強くて家族を守ってやる(支配する)マッチョイズムだけが父親なのか?」というテーマはあって、ラストは鏡像たるラスボスと「痛めつけあう」戦いが描かれる。なるほどじゃあ今後は誰かに「ただ寄り添う」道を選択するのかと思いきや、普通に続編作る気満々やないか。このように、主人公の家族に関するしんみりした話をやたら入れてくる割にそれがメインプロットと全く噛み合わないので、正直言って物語としては何? という感じだ。

続編はこの辺り真面目にやる気があるのか怪しいので、それならもうドンパチに振り切っても良いのではと思った。眼福な一作ではある。
しの

しの