てっぺい

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのてっぺいのレビュー・感想・評価

4.0
【“見るゲーム”な映画】
あのマリオが、ゲームと同じBGM同じ効果音であの世界観のまま映画で大暴れ。隣でゲームを見ている感覚の100倍の楽しさと没入感。90分があっという間。

◆トリビア
○ 2023年4月5日より、順次公開がスタートし、9日までの興行収入は全世界で約3億8000万ドル(約500億円)を記録。『アナと雪の女王2』を抜き去り、アニメーション映画史上最高のオープニング記録となった。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー)
Illuminationの最高経営責任者であるクリス・メレンダンドリは、本作の続編をつくる可能性はゼロではないと語っている。(https://wired.jp/article/super-mario-bros-movie-new-generation-video-games/)
○ 『スーパーマリオ』の映画化は、邦画アニメ『スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!』('86)、実写洋画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』('93)に次いで3作目。2作目が批評的にも商業的にも失敗したため、任天堂は以降の映画化に慎重になった。USJに「スーパー・ニンテンドー・ワールド」が出来たことがきっかけで、マリオの生みの親の宮本茂がイルミネーション創設者のクリス・メレダンドリと出会い、本作に繋がったと言われている。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー)
〇セリフ回しを生き生きとさせるため、脚本は英語版のローカライズではなく、日本語版の脚本も同時に制作。宮本茂は収録も多数立ち会った。(https://www.ndw.jp/mario-interview-230425/3/)
〇劇中にはマリオの商売敵として「レッキングクルー」からスパイク(旧名ブラッキー。マリオの元祖ライバルと呼ばれている)が登場。マリオがよく行くピザ屋の名前は「パンチアウト」(任天堂のスポーツアクションゲーム)。(https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1495648.html)
○ 映画序盤に出てくるピザ屋に置いてあるアーケードゲームは「ジャンプマン」。テレビゲーム「ドンキーコング」にマリオが初登場したときの名前がジャンプマンだった。(https://deziowata.hateblo.jp/entry/2023/04/23/005402)
○ 映画の舞台ブルックリンの背景に見える看板の中に「花札カード」の広告が。任天堂がもともと花札の製造販売から商売が始まったことをオマージュしている。(https://deziowata.hateblo.jp/entry/2023/04/23/005402)
〇本作では、ゲームの効果音やテーマ曲がふんだんに使われており、それらはオリジナルの音楽製作を担当した近藤浩治が、映画版で作曲を手がけるBrian Tyler氏のためにピックアップしたもの。(https://japan.cnet.com/article/35202238/)
〇入場者プレゼント<『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』ハテナブック>を先着で配布。紹介内容が異なる4種類のうち1種が配布され、封入されるステッカーもマリオ、ルイージ、ピーチ姫、クッパの4種類がある。(https://mario-movie.jp/news/2023/04/04/info07/)
〇超巨大ハテナブロック型のキューブビジョンが日本各地に設置される。ビジョンでは、キャラクタービジュアルや映画のトレーラー映像などが掲出されるほか、その写真や動画とともに、“#ハテナブロックがやってきた”を付けてコメントを投稿すると、抽選で映画グッズが当たるキャンペーンも同時開催。
・4月24日(月)-4月30日(日)ホワイティうめだ(大阪)
・4月28日(金)-4月30日(日)サッポロファクトリー(北海道)
・5月5日(金)-5月7日(日)プライムツリー赤池(愛知)
・5月5日(金)-5月7日(日)キャナルシティ博多(福岡)
(https://www.famitsu.com/news/202304/21300019.html)
○ マリオの年齢は正式に決められていないが、生みの親の宮本茂によれば24 - 25歳をイメージしているとのこと(『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは26歳前後と記述)。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/マリオ_(ゲームキャラクター))
○96年からマリオの声を担当しているチャールズ・マーティネーが、本作字幕版にカメオ出演している。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー)

◆概要
「スーパーマリオ」シリーズを、「ミニオンズ」シリーズのイルミネーション・スタジオと任天堂が共同でアニメーション映画化。
【製作】
クリス・メレダンドリ(イルミネーション創業者で「怪盗グルー」シリーズなどのプロデューサー)
宮本茂(マリオの生みの親)
【脚本】
「ミニオンズ フィーバー」マシュー・フォーゲル
【監督】
アーロン・ホーバス、マイケル・ジェレニック
【声の出演】
(字幕版)
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ クリス・プラット
「ラストナイト・イン・ソーホー」アニヤ・テイラー=ジョイ
「モンスター上司」チャーリー・デイ
「ジュマンジ」シリーズ ジャック・ブラック
(吹替版)宮野真守、志田有彩、畠中祐、三宅健太、関智一
【公開】2023年4月28日
【上映時間】94分

◆ストーリー
ニューヨークで配管工を営む双子の兄弟マリオとルイージが、謎の土管を通じて魔法に満ちた世界に迷い込む。はなればなれになってしまった兄弟は、絆の力で世界の危機に立ち向かう。


◆以下ネタバレ


◆ゲーム感覚
冒頭の横スクロールアクションで街を行くマリオ(特に鉄柱をくるくる下りるマリオにニヤリ笑)。キノコ王国で土管を行き来するマリオとキノピオ。マリオとの対決で樽を上からしっかり落としてくるコング。レインボーロードで甲羅をぶつけながらドリフトギンギンで走るマリオカート(そういえばコング王国で案内役が投げたバナナの皮に後続車がキチンとスピンするくだりも◎)。しっぽで自由自在に空を飛ぶたぬきマリオ。そしてラストはスターマリオ&ルイージの大暴れと、やってほしい事が全て詰まっていた。さらにはゲームと同じBGM、土管に入る効果音やパワーアップ&ダウンの効果音もそのままで、まさにゲームをやっている、もしくは隣で見ている感覚。終始ワクワク感が止まらなかった。

◆キャラクター
マリオにはイタリア人らしく大勢の家族がいたという設定づくり。マリオが父親に認めてもらう映画の軸にもなっていたし、ゲームにない、各キャラクターの別の顔が見えた事で、よりキャラクターに深みが増し魅力的になったと思う。炎でペンギン城を焼き払ってしまう恐怖のクッパも、「ピーチピーチピチ♪」とピーチ姫への愛で作詞作曲してしまうどこか憎めないキャラに。ピーチ姫はマリオを凌駕する勇敢、有能っぷり。コングとマリオが共闘するワクワク感。自分がかわいい事を自覚しているキノピオ笑。ダークランドにいたチコ(ルマリー)や、マリオの初代ライバルのブラッキーも登場する事で、任天堂の大団円を見るような壮大さも詰まっていた。

◆エンド
キノコ王国に住まいを移していたマリオとルイージに、次なるステージへの予感。極小クッパのぼやきから切り替わったエンドロールでは、水中のBGMも含めたオリジナル音源がアレンジされ散りばめられるテーマ曲が胸熱だった。(そういえば映画冒頭で登場した2Dマリオブラザーズには涙腺を崩されかけた)そしてポストクレジットでは、ヨッシーの卵と思しきものにヒビが。本編ではヨッシーの種族が大勢走る描写が一瞬ありつつ、次回作があるとすればヨッシーが本格参戦すると思われる。アニメ映画でアナ雪2を超えてオープニング新記録を叩き出したというのだから続編は確実。ぜひ期待したい。(今作でチコが出たのだから、ロゼッタも登場する!?)

◆評価(2023年4月28日時点)
Filmarks:★×4.1
Yahoo!映画:★×3.9
映画.com:★×3.7

引用元
https://eiga.com/movie/98124/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
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