なお

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのなおのレビュー・感想・評価

4.8
世界一有名な配管工、ついに映画化!

何気に今年一番くらいの期待作。
字幕版の方は我らがクリス・プラットとアニャが声を当ててるし。あとジャック・ブラックも。

てなワケで、当然字幕版を鑑賞。
一応IMAX3D上映で見たけど、3Dで見る意義はそこまでなかった。

✏️で、このゲームどこで売ってるんですか
”壮大にカネと時間と手間をかけた、「マリオの世界」を紹介するプロモーション映像”的な素晴らしい映画体験だった。

もう自分がマリオのゲーム作品から離れて何年になるだろう…
最後にきちんとプレイした3Dアクションはゲームキューブの「スーパーマリオサンシャイン」(2002年発売)なのでもう20年も前だ。

その後はちらほら入ってくる新作のニュースだとか、弟がプレイするマリオのゲームを横目で見ていたくらい。

そんな自分でも「早くコントローラーを握らせてくれよ!」そう言いたくなるほど、開始数分でこの映画の世界観に一気に引き込まれた。

✏️練り上げられたストーリー
上映時間がおよそ90分とは思えぬほどストーリーと世界観に厚みがある。
一切の過不足なく、マリオたちのめまぐるしい活躍を堪能できる作品づくりには脱帽の一言。

1981年、アーケード版「ドンキーコング」でマリオが初登場してから約40年。
(ちなみに同作では「マリオ」という名前はついておらず、正式にマリオとなったのは後年発売の「ドンキーコングJR.」というゲーム)

自分のような「かつてマリオをプレイしていた」ようなファンから、「今も昔もマリオをプレイしている」ゴリゴリのファン、そして「つい最近マリオを遊び始めた」ちびっ子のファンまで、マリオのファン層は恐らくこの世のどんなものよりも幅広い。

<老若男女いるマリオファンたちをうならせ、「マリオ映画としての感動」を与えるにはどうしたら…?>
「90分」という、映画としては短い部類に入る時間枠の中でこれを考えた制作陣は相当苦心したに違いない。

まず何より「マリオがクッパにさらわれたピーチを助けに行く」という王道ストーリーを根底から覆したのが正解。

マリオはニューヨークに住む一介の配管工。
マリオ作品では紋切り型の「キノコ王国スタート」とせず、あえて実在する地名を出して現実感を持たせたのが良かった。

人並み以上に身体能力は高いようだが、世界を救うスーパーパワーなどないヒゲのおじさん(失礼)がいかにしてキノコ王国に迷い込み、クッパを打倒するか…?
ここまでのストーリー運びが完璧。

そしていつもはクッパにさらわれてばかりのヒロイン、ピーチ。
これをただのか弱いヒロインではなく、ワルキューレも真っ青の勇敢な「戦う姫」とした。これもまた正解。

ゲームでは披露することがないキレキレの身のこなしでギミックを乗り越えて、逆にマリオにアクションのイロハを教えるシーンとか最高じゃないですか。

王道ストーリーを覆した、という点に不満を抱く人も中にはいるかもしれないが、本作で囚われの身となるルイージもヒロイン枠なので何も問題ない。

「僕は諦めが悪いんだ」
マリオ映画らしいメッセージ性もところどころあって、特に後半のシーンは思わず涙腺が熱くなってしまう。

✏️愛あふれる小ネタ
ふだん同じ映画を繰り返し見ない自分が「また見たい」と思う最大の要因。
それはメインストーリーとは関係ない”裏面”に隠された小ネタやイースターエッグの数々。

ここに書くとちょっとしたネタバレになるし、そもそも書ききれないので割愛するが、往年のファンならば「おっ!」と人目もはばからず声を出したくなるオブジェクトや演出がかなりの数仕込まれている。
実際自分は映画館で「下手したら聞こえるんじゃないか」くらいの声量で声を出してしまった…

無論人によってはこうした小ネタを拾えないので、映画の評価としては減点対象になってしまう「内輪ノリ」となってしまう危険性ももちろんある。

だがしかし本作は世界に何千・何億というファンを持つマリオ映画であることをお忘れなく。
そもそもの「内輪」の数が圧倒的に多いので、「ネタがわからん!不親切だ!」と怒り狂う人の方が少数派になるだろう。

☑️まとめ
大切なことはマリオが教えてくれた。
何度穴に落ちようと、炎に焼かれようと、水中で溺れようと、敵にぶつかろうと、残機のある限り縦横無尽に進み続ける。

本作でのマリオの活躍は、人間としての生き方すら示してくれているようで………なんて小難しいテーマ性を語ろうとすることすら本作の前では野暮というものだ。

20年前に感じた「ひたすら楽しいマリオの世界」を自分が体験できたように、皆それぞれが持つ唯一無二「マリオの世界」を体感できることはまず間違いない。

さあ、今すぐ映画館へヒーウィゴー!!!(マリオ64風)

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★★
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★★★
🏃‍♂️テンポ:★★★★★

🎬2023年鑑賞数:51(21)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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