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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのMGのレビュー・感想・評価

2.0
ゲームは何作かはやったことあるけど、マリオに物凄い思い入れがある訳ではない。映画は興味なかったけど、友達が良かったよと言ってて、動員数も凄いらしいから見に行った。結果は最初に抱いた、見なくていいかなと思った時の感じそのものだった。

★全体の感想
漂白・蹂躙されてしまったマリオ。マリオという人気キャラの入れ物だけ業者に預けて映画を作ってもらったみたいな感じ。宮本さんも関わってるけど、監督達に愛があるとは思えなかった。その上、伝えたいことなども何も感じられなかった。約90分と短いはずなのに途中から退屈に感じてしまった。

★音楽とキャラクター
特に音楽とキャラクターが気になった。
①音楽
あんなに素晴らしい原曲があるのに何であんまり使ってくれないの?使ってはいたけど、メインはオリジナル曲だったり、往年のロックだったり…。ロックもアガるっちゃアガるけど別にマリオでなくてもいい。ドンキーが出てきた所ももっと良い曲いっぱいあるのに…、とがっかり。エンドロールで原曲は沢山流してたけど、メインでもっと使ってよ!!本編であんま使ってないくせにリスペクトしてますよ!とアピールしてるみたいで嫌だった。ゲームでの、状況によって音楽が変わっていく工夫を映画で再現できたら面白いと思うのに残念…。
②キャラクター
キャラクターは大体みんなアメリカのハードボイルド系。何の個性も面白味もないハリウッドでよく見るキャラクターをマリオのキャラに置き換えただけ。
・マリオはもっと明るくて能天気だけど凄いことやっちゃうイメージだった。
・ルイージはもっと臆病でダメダメなイメージだったけど、マリオとそんなに違いが良く分かんなかった…。
・キノピオは自分で「カワイイは言われ飽きた」みたいなことも言って欲しくなかった。
・ピーチも典型的なマッチョなヒロインに置き換えられちゃってた。
・クッパは痛い中年オヤジ的なキャラになってて特に好きじゃなかった。
・マリオがピーチ姫に会うとこで「人間なの?」とびっくりされてたけど、3等身のマリオは普通の人間に見えなくてピーチの方がよっぽど人間っぽいから違和感があった。

★ゲームの要素
ストーリーは元々ほぼないから別になくていいんだけど、肝となる「ゲームをやってきた人たちが楽しめるか」という点さえも残念だった。
・ブロックを叩くと小っちゃいキノコがポーンと出てくるんだけど何か違う…。何このがっかり感…。マリオが食べられるサイズに合わせてくれなくていいんだけど…。別にそこリアリティ求めてない。ゲームのままのサイズ感でやって、でっかいキノコをちょっとかじってデカくなりゃ良くない?
・横スクロールをやるためにピーチが訓練セットみたいのを出すんだけど、そういうことじゃない…。それやるためにわざわざ出してる感じが全然スマートじゃない。ゲームキャラ自身がダンジョンなどのゲーム世界の概念に自覚的だと冷めちゃう。敵のダンジョンに乗り込む時とかに自然にそうなっててほしかったんだけど…。
・キノコ出たのに取れずに落ちちゃう所とか、ノコノコ踏むと甲羅になって投げられて跳ね返って自滅しちゃう感じとか、クッパの回転して飛ぶやつとか、そういうのもっとやって欲しかった…
・無敵状態のぶつかるだけで吹っ飛ぶあの感じも何か違っちゃってた…
・せっかくドンキーとの一対一やるなら大乱闘の感じやってくれればいいのに…
・クッパの倒し方もありきたりでアイデアがなかった。これならマリオでなくていい。敵の特性を考えて工夫をすればこんなに簡単に倒せるんだ!というゲームをやった時の感じをやってほしかった…。
ニンテンドーが関わってるんだから、膨大なネタを何でも自由に使い放題なのに何で全然使わないの?色々できるはずなのにもったいない。より制約の多かったレディプレイヤー1の方がよっぽどワクワクした…。

★その他
・ストーリーに加えキャラもない、その上あるある要素も足りないので、マリオのキャラデザインや登場する要素を取り除いたら映画としてはほとんど何にも残らないと思った。
・ギャグもイマイチで一個も覚えてない。唯一急にクッパが下ネタを言うところだけ印象に残った。マリオの世界感に合わないのでやめた方がいいと思った。
・2Dは吹き替えしかなかったから吹き替えで見た。今風な言葉を使うキャラ達に違和感を持った。

★良かった所
・ピーチ試験の何回も頑張る所
・序盤の街中がステージになってる所
・マリオカートでバナナ投げたりする所
・ディーディーコングが1人だけドンキーコールし続けちゃう所は面白いし、嬉しかった。ディクシーもいてテンションあがった。
・そういえば、ルイージのホラーシーンはちょっと雰囲気あったし、振り返ったらヘイホーがいっぱいいるのは笑った!あそこもっとやってほしかった!

★締め
感想が、こうしてくれればいいのに、だらけになっちゃった…。これは映画のせいばっかりじゃなくて、それだけゲームの映画化が特殊なものであり、元のゲームの持つパワーが凄まじいということなのだと思った。
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