ウォーターライブラリー

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのウォーターライブラリーのレビュー・感想・評価

3.2
ボストンの工事現場、ピーチ城での訓練、クッパ城の突撃等のシークエンスで挿入される横スクロールのアクションのショットが、スーパーマリオというコンテンツにおける大きな特徴は効果音とそれであることを示す。映画内で再現され、他の活発な画面転換を伴う映像(あるいは3DCGアニメーションのアクション映画的映像)と対比されることによって、ゲームとしてのスーパーマリオの映像構成の原点が横スクロールアクションであることを再認識させる。

原作のスーパーマリオにはない、この映画の最大のオリジナリティは、映像自体に内在しているというより、むしろ伴奏でしばしば用いられる80年代アメリカ音楽との融合ではないだろうか。a-haのTake On Me、ボニー・タイラーのHERO等は製作国である米国内のノスタルジーと組み合わさることにより、アメリカでも一定のウケが取れるように作られている。これは顕著なスーパーマリオのアメリカ化のための演出であろう。