みかんぼうや

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

4.0
世界最強のエンタメコンテンツ「スーパーマリオ」と、ピクサーに並ぶ世界最強のCGアニメーション集団「イルミネーション」が掛け合わされば、世界最強の超極上エンタメムービーが出来上がるのは必然ということか。個人的には、人間が持つ“想像力”と“創造力”のあまりの凄さに感動させられた作品でした。

劇場で映画を観ていたという感覚以上に、アミューズメントパークでたっぷり遊んだかのような錯覚に陥るほど、小学生の頃にハマったスーパーマリオの世界に“ときめき続けた” 2時間弱。

はっきり言ってストーリーは、分かりやすすぎる超ご都合主義の勧善懲悪物。何の予想外の展開もない。しかし、スーパーマリオ自体が単純な設定とゲーム性なのだから、それでいい。この作品が素晴らしいところは、小学校1年生の頃から狂ったようにプレイし続けた、あの粗い2Dドット画の「スーパーマリオブラザーズ」の世界が、「本当はこんな世界だったんだ!」と思わせてしまうほど、ゲームで味わった興奮、楽しさ、緊張感、悔しさを内包しながら、その世界観をしっかり3Dアニメーションの中で表現しきったこと(ピーチ姫のキャラクターだけ、「あれ?こんなに逞しい性格なんだっけ?」と思いましたが・笑)

作中で実際のゲーム音楽をモチーフにした楽曲や音響が効果的に使われていることも相まって、「今僕らはあのマリオの世界にいる!」と違和感なく思わされるだけで、もう十分。

あの基本横スクロールのゲーム画面から(マリオカート的なシーンもあるが)、これだけの世界を3D映像として具現化し、まさに“1秒たりとも気を緩ませないアクションゲーム” さながらの凄まじいテンポで突き進む展開で観客の気を緩める瞬間を与えない。こんなことができる製作者たちのイマジネーションとクリエイティビティにただただ感嘆する貴重な映画体験だった。
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