まろ

ペルセポネーの泪のまろのネタバレレビュー・内容・結末

ペルセポネーの泪(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

想像以上にあたたかく素敵な作品でした。

都会にくたびれて農業、見ず知らずの人を信用して借金、見ず知らずの人に大切な指輪を容易く失う、金に目が眩んでパートナーまで失いかける始末。流されやすい風太さんと側で見守る実を通して自分も人生を考えさせられたり…

風太と実が仲良く薪割りする姿、実と同僚の何気ない会話、田舎の宴会などどれも演技というよりありふれた日常のワンシーンのよう。舞台挨拶トークによるとセリフはほぼアドリブなんだとか。ご近所さんが余所者を受け入れつつ噂話をする様子など田舎のご近所関係もありのままに描かれていて興味深かった。

THE・日本の田舎風景がギリシャ神話と不思議にマッチしているところが面白い。神秘的なロケーションやギミックが沢山あり、ストーリーもどう着地するのか最後まで目を離せなかった。
剛力彩芽さんの演技はお初にお目にかかったのですが、ナチュラルで素敵…!渡部秀さんも喜怒哀楽全て詰まった役柄を見事に演じられていたし、傍を固める方々も適材適所。日常の延長で紛れ込んだ夢幻みたいな特有の世界観が心地よかったです。

長野の舞台挨拶付き上映はJAが協賛していたりエキストラの方が見に来ていたり会場全体おだやかな雰囲気で和みました。地方公開のみでは勿体ないので、ぜひ全国上映して頂きたいです。

2022.03.19 舞台挨拶回鑑賞@シネ・リーブル池袋
都内上映おめでとうございます。
風太さんの「仕事辞めます」を東京で聞くと疲れ切っちゃう気持ちが痛いくらい分かります。長野のひとのあたたかさも倍増して見える。
特に役作りはなかったが、実は強い女性だと思うからそう演じたと語ってくれた剛力さんに好感。渡部さんからは薪割りシーンは突発的に作られたって話を伺えて良かった。
シネリーブル池袋、こぢんまりした良い箱でした。
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