ばっしぃ

ダ・ヴィンチは誰に微笑むのばっしぃのレビュー・感想・評価

ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)
3.7
ダヴィンチの一枚の絵画を取り巻く狂想曲をミステリー仕立てに描いたドキュメンタリー映画。
美術品の価値は純粋な芸術性としての価値だけでなく、ブランドとしての価値、投資対象としての価値など多面的で、ゆえに取り巻く人々、群がる人々も多面的だ。しかも美術界はレギュレーションが甘く闇の商慣習に支配されており、そこには誇張と欺瞞、盲信と搾取の連鎖が蔓延っている。特に希少性のあるものなら、それぞれの思惑が絡み合って良質なミステリーになる。ダヴィンチの真作か工房の作品かも結論は出ていないし、4.5億ドルで落札されて以降、所在すらわからないし、ものすごい謎で、こんなドキュメンタリーを長期にわたって取材してきたのはすごい。
でも人間の浅はかな欲望のために本来の価値からかけ離れたところで素晴らしい芸術品が扱われることに疑問を感じざるを得ない。審美眼とは何だ。
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