あんじょーら

ダ・ヴィンチは誰に微笑むのあんじょーらのレビュー・感想・評価

ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)
3.2
アントワーヌ・ヴィトキーヌ監督     GAGA


なかなか興味深い、ある絵画をめぐるドキュメンタリーです。


「サルバトール・ムンディ」という1枚の絵画をめぐるドキュメンタリーで、クリスティーズで絵画史上最高額の510億円で落札される、という場面から映画は始まります。


そもそも最初は13万円でオークションで購入した美術商が、修復というなの 重ね塗り をしていたり、美術館までもが、レオナルド・ダ・ヴィンチの専門家を呼んで複数の識者から鑑定を受けるも、5人中、1人は間違いなくダ・ヴィンチ作品と認め、もう1名は間違いなくダ・ヴィンチ作品では無いと断言し、残り3名は判断保留という結果でありながらも、展覧会で陳列してしまいます・・・この辺というか冒頭から、もう基本的に名声、野心、金の話しです。


もっと、この絵についての句wしい科学的分析とか、信じられる根拠とか、シンジラレナイ根拠とかを観たかったんですけれど、基本野次馬と言いますか、ミーハーと言いますか、軽薄と言いますか、でも、人気と言う意味では、明らかに軽率さがあるモノ、ヒト、に群がる傾向あるんですよね。下世話なんだと思います、基本的にホモ・サピエンスが。


で、本当に、いろいろな立場の人が出てくるんですけれど、そして自分の正義をカメラに向かって言うのですが、全然信用できない感じになってきます・・・

最終的に、サルバドール・ムンディが何処に、誰の手に行きつくか?というミステリーについては、本当にどうでもいいな、と思いましたが、ホモ・サピエンスの下品さが存分に味わえる作品。


権威があろうがなかろうが、どの立場や、タテマエがどう利用されるか?なんてわからないモノなので、しょうがないのかも知れませんけれど、それでも絵画の面白さは確かにあるんですよね・・・


それを描いているのも、仮にダ・ヴィンチじゃなくてもホモ・サピエンスなんで、本当に不思議。