試写会ありがとうございました。
「クリスマスといえばゴーストストーリー」の英国の伝統に一捻りを加えた一作で、多くの社会問題について考えさせられる要素が含まれており、長くはない時間に様々なテーマが詰め込まれていた。
ジャンルは「ホラー」になっているものの、幽霊ではなく人間、特に大人が感じる恐怖という名の亡霊というか、形の無いものが絡み付いてくるタイプのホラー。
キャストの演技はとても自然で、特にアート役のローマン君の演技に引き込まれる人が多かったのでは？難しい役どころを、子供らしさを残しながらも繊細に演じていて、素晴らしかった。
環境問題や紛争、命の選別や貧困、中絶、教育などなど社会に訴えかける要素がたくさんあり、色々と考えさせられるものの、テーマの提示が少し遅すぎて、そこにたどり着くまでに観るのを止めてしまう人がいそう…。
美しい讃美歌とクリスマスの雪景色に終末という恐怖が深く根を下ろしつつも、ユーモアがあり、その相容れない組み合わせがより不気味さを醸し出していて、ゴーストストーリーとしては良いムードを醸し出していたようにも感じた。
