あらゆる生物を死滅させる謎の毒ガスが地球全土に広がる中、人類最後のクリスマスを過ごす人々。政府から支給された薬を飲んで安らかに自殺するか、毒ガスを吸って苦しみながら死ぬかの決断を迫られる……。
パーティーに呼んだ全員がギッスギスしている不穏な雰囲気から始まる本作。序盤はやや退屈だが、全体像が見えてくるとこのイヤ〜な空気感が逆に楽しめる。酒を飲んで暴露大会が始まったりするのが最期らしくて良い。ずっと不穏なのに所々爆笑してしまうイギリスらしいブラックユーモアもあるのがこれまた憎いね。
お婆ちゃんとのビデオ通話のシーンで不覚にも泣きそうになった。ここから話が加速し、怒涛の終盤へ。
主人公があるものを見てしまうのだけど、その時の衝撃的な表情、演技力が素晴らしい。あまりに深刻な顔をするから、可哀想で観ているだけで心が痛い。そして意外と僕はその父親の、大の大人であるサイモンの涙に一気に心を掴まれた。人間の脆さをまじまじと見せつけられた。しかもラストは超胸糞っていうね……。
お父さんが何回もコーラを取りに行かせられるシーンが、普段の関係が見えてくるのが面白くてお気に入り。
⚠️以下ネタバレ注意⚠️
ラストが考え得る限り最悪の目覚めで胸糞。しかもその瞬間終わる。なにより最初から薬を飲まない派だった、妊婦のソフィが薬を飲んでしまったのがショック……。
