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国境を越えてキスをして!のLenfilmのレビュー・感想・評価

国境を越えてキスをして!(2020年製作の映画)
2.1
異教徒、ドイツ人とユダヤ人、LGBTQと盛りだくさん、一昔前ならそれぞれで一作品なりそうなテーマ詰め込んだコメディー作品。
同性婚ってのが今風?だけどユダヤ、ナチ、ホロコースト等を揶揄笑い飛ばすって70年代メルブルックスにウッディアレンから続いてるある意味定番。 ユダヤ人(ユダヤ系)クリエーターだから許される特権ジャンル。思うに民族性や自らに降りかかった未曾有悲劇も笑い飛ばせる胆力度量。このあたりがユダヤ民族の力強さなんだと思う…よく知らんけど。

本作から離れるが一方のドイツ人でも近年「帰ってきたヒトラー」小説ヒット映画化やクリス・クラリス他流石コメディーまでいかんけど面白く見せてる作品もある。比較するのもなんだが相手が相手なんで日本だと中々難しいね。

脱線戻して
そんな盛りだくさんの中、同性愛ってのが一番普通の事というかほぼスルー。5000余年の流浪の民には個人の性的志向など瑣末な事?
ホロコーストミュージアムで他民族を羨ましがるドイツ人心境吐露、日本人から見ると過度とも思える過去への執着、ドイツ人への嫌悪と同時にアラブ人への差別意識、武装兵士による検問等
一見我が国と同じように見える日常生活だが大きく違う、特にエンドロールでコメディー風だけど爆弾やミサイルテロと共生している現実を突きつけられた感じ。
大ママの変節や元カノ描写に荒さあるもこれだけテーマ盛り込んで破綻させずまとめた脚本と演出は新人クリエーターとは思えぬほど見事。

あと主演の女優さん二人が実に魅力的。
観客賞は本作品じゃないか? 
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