福福吉吉

モスル~ある SWAT 部隊の戦い~の福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.5
◆あらすじ◆
イラクの都市、モスルの新人警察官のカーワは身内をISIS(イスラム過激派組織、通称「ダーイッシュ」)に殺された者のみで構成されたSWAT部隊にスカウトされる。部隊の目的が明らかにされないまま、カーワは戦場で戦うことになり...。

◆感想◆
ダーイッシュに占拠されたモスルを舞台に激しい戦闘シーンのみで構成された作品となっており、常に危険と隣り合わせの戦場の緊迫感が作品全体を覆い尽くしていました。

主人公のカーワはモスルの新人警察官として働いていたところ、ダーイッシュとSWAT部隊の銃撃戦に巻き込まれます。そして、SWAT部隊が勝利した後、ジャーセム隊長に無理やり部隊に入れられます。SWAT部隊の容赦のなさに面食らうカーワでしたが、戦いを続けるうちにカーワもSWAT部隊の一員として容赦のない戦いを行うように変わっていきます。本作はこのカーワの変貌していく様子が見どころとなっており、隊員が次々と殺されていく中、カーワが感情を失っていくように見えて怖さを感じました。

ジャーセム隊長率いるSWAT部隊は目的が最後にならないと明らかにならないので、ずっと「この部隊は正しいのか」という不安感を持ちながら観ていました。しかし、戦いが続く中で、隊員たちが次々と死んでいき、それでも彼らが進み続ける姿を観て、最後まで観たいという気持ちが湧いてきました。

銃撃戦のリアリティは凄まじく、画面全体が砂と血の匂いを感じられる気がしました。

観て良かったと思います。イラク視点で見た紛争というものの本質が見える気がしました。

鑑賞日:2023年12月16日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2023年3月1日)
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